ふちどり

後ろ見ながら前に進む、僕の日記。

あの日のこと

 

一晩中雨だった。僕は少し窓を開け、ベットに転がって、ザーザー降る雨の音に耳を傾けながらあの日のことを考える。

 

あの日とは、1年間の予定だった留学を半年で切り上げて日本に帰ることに決めた、あの日だ。あの日もちょうど今と同じように、激しく雨が降っていて、つめたい夜だった。

 

あの日、僕は自分がどんなにぐずぐずな人間であるのかということ、また己の精神の脆さ、弱さに失望した。僕は僕のことを買いかぶりすぎていたのだ。あるいは甘く見ていたのだ。

僕はこれまでの人生における選択というものを、ほとんど全て自らの意思によって行ってきたと信じていたが、決してそうでなかったということに突然気がついて落ち込んだ。なぜ今気がつくのか、間が悪すぎると我ながら思った。死ぬまで気がつかないままでいられたらどんなに幸せだっただろうか。しかし同時に、僕はかなりほっとしていた。それから途端に自分がなぜここにいるのか全くわからなくなってしまって、とにかく帰りたいと思った。そして帰った。

 

帰ったことが正しかったかどうかはわからない。

途中で投げ出さずに続けたら、何か得るものがあったかもしれない。何か変わったかもしれない。僕はそれをはっきりと頭でわかっていても、それでも帰ってきてしまった。それはもう変えられない。

ただ、正しい、間違っている、という枠組みでは述べられない何かがそこにはある、と思う。それが一体何なのか、今の僕にはまだわからない。何かがある、ということしかわからない。

 

そんなことを考えた夜だった。