ふちどり

後ろ見ながら前に進む、僕の日記。

消えためがね

 

帰り道、メガネが落ちていた。


ピンク色のつや消しのフレームで、妹が掛けていたものと少し似ていた。しかしこんなところに妹のメガネがあるはずはない。そのまま通り過ぎた。

 

しかし通り過ぎて五歩くらい先に進んだところで、いや、交番に届けるんでなくても、僕は帰る途中で、それほど急いでいないし、せめて手前のフェンスにかけて置くくらいはしても良かったのでは、と思いなおして、もと来た道を戻った。


ところが、そこにメガネはなかった。僕は目が悪いし注意散漫なので、ただの見落としかもしれない。でも、ほんの数秒前にそこにあったはずのメガネはもうなくなっていた。持ち主が拾いに来たのだろうか。それとも誰かが交番に届けたのだろうか。

 

見えない誰かに試されたみたいだ。夜のプールでひとりぽっかり水に浮かんでいるようなきもちになった。